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■三田歌舞伎2008年7月号 No.1  小泉 正行会員(1967年卒)による寄稿文

歌舞伎と俳句 

昭和42年卒
小泉正行

はじめに  

 私は,高校時代の友人の勧めにより平成19年1月から俳句を始めました。
其の友人とは約6年前、彼が南米チリの現地支店長として赴任する際、歌舞伎を一度も観たことがないとのことから、お祝いを兼ね、わたしの提案で「4代目松緑襲名興行」(松緑の弁慶、菊五郎の富樫、富十郎の義経)を一緒に観劇しました。
そして4年後,彼が無事任務を終え帰国してきた年の同窓会の挨拶で彼は、「わずか一回しか観てない歌舞伎ながら、現地のパーテー等で日本の文化のことを聞かれた折、歌舞伎を得意気に話すことができた。しかしいかに自分が日本文化を知らないかを感じ入り恥ずかしくもなったので、早速歌舞伎、能を観たり、陶芸や俳句教室に入り勉強をはじめた」と語ったのです。
私にも、是非一緒に俳句会に入り俳句を詠んでみようとの誘いがありましたが、風流心のない私は柄にもないと断ってきました。(草花の名前もろくに知らないもので)
しかし、私が歌舞伎を勧めておきながら、俳句はいやだとも言えず、又よくよく考えてみれば歌舞伎と俳句には共通するものがあり(四季の変化の美しさを大切にしている所)、何か興味を感じ始めました。
今まで40年以上歌舞伎を観続けてきたのだから、花鳥風月を素材に詠めなくとも歌舞伎芝居を素材になら何とか詠めるのではないかと楽観的に考え、彼の所属している俳句会に入り俳句を詠み始めたのです。
俳句関連の本を読み始めたらまさに歌舞伎は先輩格の連歌俳諧の影響を受けており、例えば役者が「俳名」を取り入れたり、歌舞伎用語が季語にあったり、さらには俳句が歌舞伎の科白の中に組み入れられたりしており、私なりの歌舞伎と俳句の関連性の発見がありました。
それに自分が歌舞伎関連の句を詠む上で過去にどの様な俳句があるものか知る為に、400句ほど洗い出しましたが、なかなか上手い句もあり俳句を詠むことが歌舞伎を観る一つの見方にもなると思いました。
又これ等の句を何とか季語で分類してみて「歌舞伎関連俳句集」として仕上げるとか、それぞれの句の内容、背景等を調べることも考えられるのですが、それにはまだまだ時間が掛かります。
取敢えず,今回は今までに解ったことで、極めて基本的なことを中心に書くこととします。


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